金沢大学附属病院 Kanazawa University Hospital

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病理診断科・病理部

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  • 診療科長・病理部長
    池田 博子

  • 当院において、患者さんから採取された組織・細胞検体の組織標本を作製し、病理診断を行っています。病理医、病理検査技師による正確で質の高い病理診断で、医療の安全・安心を支え、本院における中央診療部門の一つとして診療科横断的な機能を果たしています。北陸基幹病院の臨床検査室として高度先進医療に対応するために、各臨床科とのカンファレンス、勉強会への参加、専門家へのコンサルテーションなどを通じて、日々知識の獲得、技術の研鑽および向上、精度の高い病理診断に努めています。2020年2月に臨床検査の国際規格であるISO15189の認定を受けました。厳格な品質マネジメントのもと、国際水準の検査結果の提供に努めています。

内容

病理組織診断(生検、手術)

年間約9,000件の検体を肉眼、顕微鏡で観察し診断しています。病理レポートにはマクロ及びミクロ画像、バーチャルスライドなどを添付しています。1961年より、病理部で作製したすべてのパラフィン包埋ブロックを保管しています。診断情報は1998年以降の症例は病理診断システムで、それ以前はカードで検索可できます。長い病歴の疾患にも十分な対応が可能です。

細胞診断

年間約8,000件の検体の標本作製、診断を行っています。検体は尿、喀痰、擦過材料(子宮、気管支)、穿刺液(胸水、腹水、脳脊髄液、嚢腫内容、関節貯留液)、穿刺吸引(膵、消化管、甲状腺)などです。組織に比べ、材料を採取しやすく、悪性細胞の発見などにより、がんの診断に有用な情報が得られます。EUS-FNA検査では細胞検査士がrapid on-site evalition :ROSEに出向き、検査精度の向上や時間短縮に貢献しています。

術中迅速診断

手術中に提出される臓器の一部を凍結ブロックとし、HE切片を製作しています。10~30分程度で病理診断が手術室に報告されます。年間約800件の組織診断に加え、腹腔洗浄液などの細胞診も行っています。病変の良悪の判定や拡がりの評価などにより、術中治療方針の選択に重要な役割を果たしています。

特殊検査

450種類をこえる抗体を利用した免疫組織学的検討、in situ hybridization法によるEBウイルス感染関連疾患の検索、FISH/DISH法での各種遺伝子の増幅や転座の検討を行っています。HEでの形態観察に、蛋白発現から得られる細胞の表現型や遺伝子情報を加えることで、より精度の高い病理診断となります。

病理解剖

ご遺族の了承のもと、患者さんの死因究明などのために、医学系分子細胞病理学教室、人体病理学教室と連携協力し、病理解剖が行われます。

 

がんゲノム医療

 

2019年9月から、金沢大学附属病院はがんゲノム医療拠点病院に指定されました。がんゲノム医療はゲノム情報に基づいた癌の治療で、病理検査室で製作されるホルマリン固定ラフィン包埋ブロックからDNAを抽出し、次世代シークエンサーによる遺伝子変異が検出されます。適切な検査が行われるように、質の高いブロック製作、腫瘍細胞含有率の評価、臨床医への検体採取法の提案に努めています。

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