金沢大学附属病院 Kanazawa University Hospital

病院案内

Hospital Guide

令和元年度 金沢大学附属病院 病院指標

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金沢大学附属病院 過去の病院指標

令和元年度 金沢大学附属病院 病院指標

医療法における病院等の広告規制について(厚生労働省)

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

※本ページのデータは「標榜診療科」別に集計しているため、本院の診療科名とは異なります。

年齢階級別退院患者数

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年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 515 465 428 620 1,271 1,772 3,265 4,566 1,399 106

年齢階級別退院患者数は、本院を退院した患者さんの年齢を10歳刻みで集計したものです。幅広い年齢層の患者さんが入院していますが、最も多い年齢層は、70~79歳でした。60歳以上の患者さんの割合は60%を超えており、地域社会の高齢化を反映しています。

診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)

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消化器内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060050XX99X00X 肝・肝内胆管の悪性腫瘍(続発性を含む。) 手術なし 手術・処置等2 なし 副傷病なし 115 8.59 9.27 1.74% 69.50
060050XX97X00X 肝・肝内胆管の悪性腫瘍(続発性を含む。) その他の手術あり 手術・処置等2 なし 副傷病なし 101 12.82 10.25 0.99% 73.87
060050XX0300XX 肝・肝内胆管の悪性腫瘍(続発性を含む。) 肝悪性腫瘍ラジオ波焼灼療法(一連として)等 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 101 10.64 8.03 0.00% 72.65
060050XX99X40X 肝・肝内胆管の悪性腫瘍(続発性を含む。) 手術なし 手術・処置等2 4あり 副傷病なし 84 13.87 10.89 0.00% 68.40
060020XX04X0XX 胃の悪性腫瘍 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術 手術・処置等2 なし 56 9.23 8.27 0.00% 72.23

当院の消化器内科では、食道、胃、十二指腸、小腸、大腸などの消化管に加え、肝臓、胆嚢・胆管、膵臓を含む複数の消化器臓器の診療を担当しています。
当科の入院で最も多いのは肝細胞癌を含む肝臓の悪性腫瘍です。腫瘍の性質や広がりを複数の画像診断で精密に診断し、肝機能や併存疾患の状態を適格に評価した上で、消化器内科、肝胆膵・移植外科、放射線科など複数の診療科と連携を取り、それぞれの症例の病状にあわせた最適な治療を提供するように心がけています。ラジオ波焼灼療法や進行例に対する薬物療法に加え、肝動脈化学塞栓療法は放射線科、肝切除術・肝移植術は肝胆膵・移植外科と連携しながら治療を行っています。また早期胃がんに対する内視鏡的粘膜下層剥離術など、内視鏡を用いた低侵襲治療も多く行っています。

内分泌・代謝内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
100180XX991XXX 副腎皮質機能亢進症、非機能性副腎皮質腫瘍 手術なし 手術・処置等1 あり 48 4.58 3.80 0.00% 53.35
100070XX99X000 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。)(末梢循環不全なし。) 手術なし 手術・処置等2 なし 副傷病なし 85歳未満 39 10.85 10.84 0.00% 58.41
100180XX990X0X 副腎皮質機能亢進症、非機能性副腎皮質腫瘍 手術なし 手術・処置等1 なし 副傷病なし 33 7.45 6.24 0.00% 59.06
100070XX99X100 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。)(末梢循環不全なし。) 手術なし 手術・処置等2 1あり 副傷病なし 85歳未満 27 13.89 13.72 0.00% 59.96
100071XX99X100 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。)(末梢循環不全あり。) 手術なし 手術・処置等2 1あり 副傷病なし 85歳未満 26 12.54 14.10 3.85% 65.42

当科では、生活習慣病とホルモンの病気を主に診療しています。中でも世界的に増加し続ける2型糖尿病患者さんに対して、医師、看護師、薬剤師、管理栄養士、理学療法士、臨床検査技師らが糖尿病療養チームDiETを組んで、チーム医療アプローチでライフスタイルと薬物療法のアドバイスを進めています。
また甲状腺、副腎、下垂体をはじめとするホルモンの異常(機能亢進症・低下症)の原因を同定し、適切な治療を行っています。昨年と比較し、多くの疾患で平均在院日数を短縮しより多くの患者さんに検査・治療を提供できるシステム構築を行っています。さらに、肥満手術が当院で認定されたこともあり、肥満手術前の内科治療入院が増加しています。

リウマチ科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
070560XX99X00X 重篤な臓器病変を伴う全身性自己免疫疾患 手術なし 手術・処置等2 なし 副傷病なし 63 16.48 15.48 4.76% 61.68
070560XX97X00X 重篤な臓器病変を伴う全身性自己免疫疾患 手術あり 手術・処置等2 なし 副傷病なし 19 31.00 26.18 5.26% 72.79
070470XX99X0XX 関節リウマチ 手術なし 手術・処置等2 なし 10 12.90 16.09 10.00% 74.10
110310XX99XX0X 腎臓または尿路の感染症 手術なし 副傷病なし - - 12.58 - -
110280XX991X0X 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1 あり 副傷病なし - - 7.00 - -

<重篤な臓器病変を伴う全身性自己免疫疾患について>
重篤な臓器病変を伴う全身性自己免疫疾患は発熱、関節痛、皮疹、筋肉痛、呼吸器症状など様々な症状が自己免疫により発症する疾患で、腎臓、肺、心臓、神経など重要臓器の障害を伴います。この分類に含まれる疾患で頻度の多いものとしては全身性エリテマトーデス、血管炎、炎症性筋疾患、リウマチ性多発筋痛症、シェーグレン症候群などです。当院では皮膚科、眼科、呼吸器内科など関連する科と綿密に連携を行い、これら疾患群に対する専門的な診断、適切な治療に取り組んでいます。
<慢性腎炎症候群について>
慢性腎炎、慢性間質性腎炎、慢性腎不全はいずれも放置すれば腎機能が低下し、血液透析に至る可能性のある疾患群です。当院では内分泌・代謝内科を始め、管理栄養士、理学療法士とともにチームを組んで、透析への進展防止に向けて入院、外来患者への指導及び治療を行っています。
<関節リウマチについて>
関節リウマチは最も頻度の高い膠原病であり、関節の疼痛と変形をきたし、最終的に日常生活に影響することがある疾患です。活動性の高い方では特に早期治療が重要です。当科では、通常治療では疾患活動性コントロールの難しいケース、合併症により薬剤選択に制限があるケースなどに、生物学的製剤をはじめとした専門的な治療を積極的に行っています。
<腎臓または尿路の感染症について>
腎臓または尿路の感染症は、入院を必要とする腎盂腎炎や腎膿瘍などの重篤な疾患を含む疾患群です。自己免疫疾患自体により尿路の閉塞、感染を伴う場合や、もともと全身性自己免疫疾患等に対して免疫抑制療法施行中のケースに本疾患群を合併する場合があり、当院では泌尿器科とも連携して、薬物治療のみならず、適切なタイミングでの尿路確保のための処置や外科的介入をあわせて行い、疾患の重篤化予防に取り組んでいます。

呼吸器内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040040XX99040X 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 4あり 副傷病なし 131 10.43 9.59 0.76% 70.60
040040XX9910XX 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1 あり 手術・処置等2 なし 130 2.72 3.34 0.00% 68.42
040110XXXXX0XX 間質性肺炎 手術・処置等2 なし 60 9.83 18.84 3.33% 67.22
030250XX991XXX 睡眠時無呼吸 手術なし 手術・処置等1 あり 38 2.00 2.03 0.00% 38.50
040040XX9900XX 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 28 11.36 14.62 17.86% 69.89

当科では、肺がん、間質性肺炎、気管支喘息、慢性咳嗽、慢性閉塞性肺疾患、呼吸器感染症など、あらゆる呼吸器疾患に万遍なく対応できる診療体制を整えております。気管支鏡検査のために多くの患者さんが入院されています。仮想気管支鏡ナビゲーションシステムなど新しい技術を用いて呼吸器疾患の正診率の向上に努めております。また入院患者さんの多くは、肺がんに対する薬物治療を行っております。肺癌診療ガイドラインに準拠した標準治療はもちろんのこと、一部の患者さんには臨床試験や治験にご協力いただき、新規治療方法の開発にも関わっております。間質性肺炎は、肺以外の臓器と関連した全身性の疾患が原因となることもあります。他の診療科に所属する専門医と連携しながら診断、治療方法の選択および全身管理を行っております。

循環器内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050070XX01X0XX 頻脈性不整脈 経皮的カテーテル心筋焼灼術 手術・処置等2 なし 188 8.01 5.02 0.00% 61.69
050050XX99100X 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等1 1あり 手術・処置等2 なし 副傷病なし 103 3.96 3.01 0.00% 70.09
050050XX02000X 狭心症、慢性虚血性心疾患 経皮的冠動脈形成術等 手術・処置等1 なし、1・2あり 手術・処置等2 なし 副傷病なし 91 7.09 4.40 1.10% 70.24
050080XX99100X 弁膜症(連合弁膜症を含む。) 手術なし 手術・処置等1 1あり 手術・処置等2 なし 副傷病なし 55 8.91 3.01 0.00% 71.15
050210XX97000X 徐脈性不整脈 手術あり 手術・処置等1 なし、1・3あり 手術・処置等2 なし 副傷病なし 35 13.11 10.80 5.71% 71.49

日本人の死因の第2位が循環器疾患であり、その中でも虚血性心疾患の頻度が最も多く、さらに虚血性心疾患は生活習慣病から進展することが多いため、早期診断や早期予防、早期治療が重要となってきています。そのため虚血性心疾患が疑われれば、各種モダリティーにて冠動脈疾患を評価し、虚血性心疾患と診断されれば、積極的な薬剤による予防治療を開始し、狭窄病変に虚血が同定されれば、カテーテルによる冠動脈形成術やステント留置術を行っています。
高齢化に伴い、弁変性に伴う心臓弁膜症や弁膜症に起因する心不全の頻度が近年増加傾向にあります。心臓超音波検査や心臓カテーテル検査などにより適切な診断、病態の評価を行い、薬物療法や外科的弁置換術さらには近年当院でも導入した経カテーテル大動脈弁置換術(TAVI)といった患者さん個々の病態、背景に合わせた最適の治療方針を決定しています。
また同様に高齢化に伴い心房細動という不整脈の罹患率も増加傾向にあり、心房細動による脳卒中が社会問題となりつつあります。当科では、増加傾向にある心房細動や他の不整脈をカテーテルを用いて原因を同定し、原因である部位にカテーテルを用いて心筋焼灼を行い不整脈を根治する治療を行っています。

腎臓内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110280XX99000X 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 副傷病なし 39 9.05 11.67 0.00% 50.28
110280XX991X0X 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1 あり 副傷病なし 21 10.71 7.00 0.00% 41.52
110260XX99X0XX ネフローゼ症候群 手術なし 手術・処置等2 なし 18 25.17 20.93 11.11% 61.44
070560XX99X00X 重篤な臓器病変を伴う全身性自己免疫疾患 手術なし 手術・処置等2 なし 副傷病なし 13 15.62 15.48 0.00% 53.77
110280XX02X00X 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 動脈形成術、吻合術 その他の動脈等 手術・処置等2 なし 副傷病なし 11 8.09 8.48 0.00% 67.45

本邦では、2018年末の慢性透析患者数は33万人を超え、増加傾向は鈍化したとはいえ、未だ増加しています。その背景にある腎臓病には、種々の病因、疾患群があります。当科では、慢性腎炎症候群や自己免疫性疾患に伴う腎臓含めた重篤な臓器障害例など幅広い疾患に対して腎生検による診断や病勢の評価を行い、治療を行っております。また多量の尿タンパクを認め、浮腫や腎機能障害進行の原因の一つにもなるネフローゼ症候群の患者さんに対しても治療を行っております。長期の経過で末期腎不全に至る患者さんには、血液透析や腹膜透析の導入・継続に際して必要となるブラッドアクセス(内シャント)の新規作成や形成術、CAPDチューブ留置についても本院の専門医に依頼し行っております。

血液内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
130030XX99X40X 非ホジキンリンパ腫 手術なし 手術・処置等2 4あり 副傷病なし 48 16.52 15.79 4.17% 66.67
130030XX97X40X 非ホジキンリンパ腫 手術あり 手術・処置等2 4あり 副傷病なし 27 22.81 31.30 7.41% 66.56
130030XX99X00X 非ホジキンリンパ腫 手術なし 手術・処置等2 なし 副傷病なし 13 6.77 9.76 0.00% 69.00
130010XX97X2XX 急性白血病 手術あり 手術・処置等2 2あり 11 33.91 39.36 0.00% 42.64
130040XX99X5XX 多発性骨髄腫、免疫系悪性新生物 手術なし 手術・処置等2 5あり 10 16.10 22.79 0.00% 68.70

当科では白血病、骨髄異形成症候群、多発性骨髄腫などあらゆる血液疾患に対応した診療を行うとともに、造血器悪性腫瘍に対する造血幹細胞移植や、再生不良性貧血に対する専門的診療に力を入れています。また、「造血器腫瘍診療ガイドライン」に準拠した標準治療のみならず、臨床試験による新規治療法の開発にも取り組んでおります。
昨年度当科で診療を行ったDPCによる主要な疾患の内訳は、全国的な傾向にほぼ一致し、悪性リンパ腫が上位に挙げられます。特に診断時に合併症を持つ、重症度の高い症例を数多く治療しています。

小児科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010110XXXXX40X 免疫介在性・炎症性ニューロパチー 手術・処置等2 4あり 副傷病なし 16 2.25 15.90 0.00% 12.44
140010X199X00X 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(出生時体重2500g以上) 手術なし 手術・処置等2 なし 副傷病なし 13 6.31 6.17 0.00% 0.00
14029XXX9910XX 動脈管開存症、心房中隔欠損症 手術なし 手術・処置等1 あり 手術・処置等2 なし 10 3.10 4.03 10.00% 5.30
080270XXXX1XXX 食物アレルギー 手術・処置等1 あり 10 2.20 2.15 0.00% 1.10
14031XX19910XX 先天性心疾患(動脈管開存症、心房中隔欠損症を除く。)(1歳未満) 手術なし 手術・処置等1 あり 手術・処置等2 なし - - 4.70 - -

新生児特定集中治療室(NICU)を備えており、金沢市内の関連病院や産科開業医の先生方と連携し、地域における周産期医療を担っています。また血液悪性疾患、神経難病、先天性心疾患、免疫不全、膠原病などの難治性疾患の入院を多く受け入れております。神経難病では、免疫介在性・炎症性ニューロパチーなどに対して定期的にガンマグロブリンを数日に渡り投与するための短期入院を受けています。先天性心疾患に対して診断・病態評価・治療適応の決定のため、カテーテル検査目的の入院を受けています。当院は、石川県のみならず北陸の血液悪性疾患を引き受けており、化学療法が必要にな方は長期間の入院となります。

皮膚科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
070560XX99X00X 重篤な臓器病変を伴う全身性自己免疫疾患 手術なし 手術・処置等2 なし 副傷病なし 68 12.00 15.48 0.00% 58.01
080190XXXXXXXX 脱毛症 23 3.61 3.44 0.00% 33.87
070560XX99X6XX 重篤な臓器病変を伴う全身性自己免疫疾患 手術なし 手術・処置等2 6あり 21 16.38 25.15 0.00% 48.33
080050XXXXXXXX 湿疹、皮膚炎群 21 10.38 10.67 0.00% 30.19
080010XXXX0XXX 膿皮症 手術・処置等1 なし 19 14.74 12.55 5.26% 59.89

膠原病診、とくに全身性強皮症、皮膚筋炎の診療を中心に行っています。令和元年度の入院診療においては、膠原病や自己免疫水疱症に対する免疫グロブリン大量静注療法も数多く施行し、広範囲の脱毛症に対するステロイドパルス療法が多い結果となりました。

形成外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
080007XX010XXX 皮膚の良性新生物 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)等 手術・処置等1 なし 11 7.73 4.01 0.00% 41.55
160200XX0200XX 顔面損傷(口腔、咽頭損傷を含む。) 鼻骨骨折整復固定術等 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし - - 5.26 - -
070010XX970XXX 骨軟部の良性腫瘍(脊椎脊髄を除く。) その他の手術あり 手術・処置等1 なし - - 4.67 - -
070570XX010XXX 瘢痕拘縮 瘢痕拘縮形成手術 手術・処置等1 なし - - 5.81 - -
090010XX04XXXX 乳房の悪性腫瘍 組織拡張器による再建手術(一連につき) 乳房(再建手術)の場合等 - - 8.03 - -

形成外科では、小児から成人までを対象に、母斑や良性腫瘍の切除、顔面傷、外傷後の瘢痕への対処など多岐にわたる疾患を扱っています。また他科と連携し、乳房再建をはじめとした腫瘍摘出後の再建なども行っています。単なる修復に留まらず、患者さんの生活の質“Quality of Life”の向上に貢献することを念頭に頑張っております。

心臓血管外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050163XX99000X 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 副傷病なし 97 7.75 8.28 2.06% 75.39
050163XX03X0XX 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤 ステントグラフト内挿術 手術・処置等2 なし 54 16.04 11.75 0.00% 76.56
050163XX97X0XX 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤 その他の手術あり 手術・処置等2 なし 31 10.26 7.65 6.45% 77.71
050163XX9910XX 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤 手術なし 手術・処置等1 1あり 手術・処置等2 なし 22 11.64 4.36 0.00% 74.32
050080XX0100XX 弁膜症(連合弁膜症を含む。) ロス手術(自己肺動脈弁組織による大動脈基部置換術)等 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 19 29.42 20.93 15.79% 66.74

心臓血管外科の主な入院患者症例は、狭心症や急性心筋梗塞などの虚血性心疾患、大動脈弁狭窄症や僧帽弁閉鎖不全症などの弁膜症、大動脈瘤や大動脈解離などの大動脈疾患なっております。当院でも心臓血管外科医、循環器内科医を中心とした専門スタッフでハートチームを構成し、患者さんにとって最適な治療法を検討しています。大動脈弁狭窄症の患者さんに対する経カテーテル大動脈弁留置術(TAVI)や、右小開胸による僧帽弁形成術といった低侵襲手術を積極的に考え、患者さんの身体にかかる負担を極めて少なくし、早期退院を目指しています。

呼吸器外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040040XX97X0XX 肺の悪性腫瘍 手術あり 手術・処置等2 なし 190 16.91 11.51 0.00% 68.43
040040XX9910XX 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1 あり 手術・処置等2 なし 93 6.59 3.34 3.23% 73.59
040040XX9900XX 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 51 8.08 14.62 3.92% 73.45
040010XX99X30X 縦隔悪性腫瘍、縦隔・胸膜の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2 3あり 副傷病なし 17 8.06 9.05 0.00% 68.41
040040XX99040X 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 4あり 副傷病なし 16 2.50 9.59 0.00% 72.00

当科の治療対象疾患は原発性肺癌や転移性肺腫瘍などの肺悪性腫瘍、そして縦隔悪性腫瘍が非常に多く、手術適応と判断される場合は根治を目指した外科手術を行っています。進行例に対しては、化学療法や放射線療法などを行ってから外科手術を行うこともあります。また、診断のための気管支鏡検査なども積極的に行っています。手術の適応につきましては呼吸器内科、腫瘍内科、放射線科、および放射線治療科の医師とカンファレンスを行い、協議を行ったのちに決定しています。手術は患者さんの術後の生活の質(QOL)を考慮し、胸腔鏡を使用し創部の小さい手術を行っております。

胃腸外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060010XX99X40X 食道の悪性腫瘍(頸部を含む。) 手術なし 手術・処置等2 4あり 副傷病なし 64 11.41 9.34 0.00% 66.31
060020XX99X40X 胃の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2 4あり 副傷病なし 29 4.41 5.69 0.00% 57.97
060160X101XXXX 鼠径ヘルニア(15歳未満) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 28 3.25 2.81 0.00% 3.79
060035XX01000X 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 結腸切除術 全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術等 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 副傷病なし 28 20.07 15.02 3.57% 70.54
060010XX01X1XX 食道の悪性腫瘍(頸部を含む。) 食道悪性腫瘍手術(消化管再建手術を併施するもの) 頸部、胸部、腹部の操作によるもの等 手術・処置等2 1あり 24 45.75 36.09 8.33% 68.17

当科は消化管と小児疾患の画家治療を中心に診療しています。良性疾患や早期がんから高度進行がんまで幅広い疾患の先進的治療を行っています。小児における鼠径ヘルニア手術は翌日に退院可能で、侵襲の少ない手術となっています。
進行食道癌では術前化学療法 (FP 療法、DCF 療法)が一般的であり、入院で行っています。入院中は副作用軽減のための支持療法を網羅的に行うため奏効率は高く、進行食道癌であっても90%以上を鏡視下手術で行っています。
胃癌においてもステージⅣの比率が多く、3剤併用化学療法(mDCS 療法)を入院のうえ実施しており、60%以上の患者さんがConversion 手術が可能となっています。Conversion 手術を行った患者さんの5年生存率は40%と全国トップクラスを誇ります。
結腸癌においては、肝転移などの遠隔転移を伴う高度進行癌に対しても積極的に手術を行っており、90%以上が鏡視下手術です。低侵襲な手術後に速やかに化学療法へ移行し、多くの症例で長期生存が得られています。

肝臓・胆のう・膵臓・移植外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060050XX99X00X 肝・肝内胆管の悪性腫瘍(続発性を含む。) 手術なし 手術・処置等2 なし 副傷病なし 73 9.38 9.27 2.74% 69.05
060050XX02X10X 肝・肝内胆管の悪性腫瘍(続発性を含む。) 肝切除術 部分切除等 手術・処置等2 1あり 副傷病なし 47 19.38 16.53 0.00% 67.03
060060XX99X30X 胆嚢、肝外胆管の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2 3あり 副傷病なし 45 5.91 7.31 2.22% 70.78
06007XXX99000X 膵臓、脾臓の腫瘍 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 副傷病なし 38 8.03 11.51 2.63% 68.82
06007XXX010X0X 膵臓、脾臓の腫瘍 膵頭部腫瘍切除術 血行再建を伴う腫瘍切除術の場合等 手術・処置等1 なし 副傷病なし 36 37.22 25.77 0.00% 66.44

当科は石川県で唯一の肝胆膵外科学会高度技能専門医修練施設Aを取得しており、高度技能専門医2名が常勤しております。また肝腫瘍や膵尾部良性腫瘍、門脈圧亢進症に伴う脾機能亢進症に対しては腹腔鏡手術を積極的に導入しており、4名の内視鏡外科技術認定医が常勤しております。肝臓外科においては、北陸で唯一の脳死肝臓移植実施施設であり、肝癌に対する多くの肝切除も行っております。大量の肝切除を要する症例に対しては、術前に門脈塞栓療法を併施するなどの安全対策を講じて、合併症の少ない手術を心がけております。膵胆道外科領域では、外科治療の根治性を高めるために、血行再建を伴う高度な手術を積極的に行っております。

乳腺外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
090010XX99X4XX 乳房の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2 4あり 176 3.77 4.25 0.00% 58.08
090010XX01X0XX 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴うもの(内視鏡下によるものを含む。))等 手術・処置等2 なし 76 14.72 10.34 0.00% 57.03
090010XX99X8XX 乳房の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2 8あり 63 5.03 4.87 0.00% 59.46
090010XX02X0XX 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わないもの) 手術・処置等2 なし 54 9.61 6.10 0.00% 59.19
090010XX99X00X 乳房の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2 なし 副傷病なし 12 11.00 8.43 0.00% 65.83

当科では乳癌診療を中心に行っております。診断、治療からターミナルケアまで一貫して当科で行います。年齢は40歳代から70歳代までの女性が中心です。入院患者の多くは手術、化学療法およびターミナルケアの方です。診断、薬物治療、放射線治療はほとんど外来にて行います。手術のほとんどは初期治療としての手術であり、遠隔転移のあるステージ4期の乳癌や再発した場合は手術を行うことはほとんどなく、薬物療法が中心の治療になります。乳癌は再発してからも経過が長く、長期に外来通院を行いながら治療をしている患者さんが多いです。

整形外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
07040XXX01XXXX 股関節骨頭壊死、股関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 110 20.70 21.53 18.18% 60.92
160620XX01XXXX 肘、膝の外傷(スポーツ障害等を含む。) 腱縫合術等 80 10.75 14.10 11.25% 24.79
070010XX010X0X 骨軟部の良性腫瘍(脊椎脊髄を除く。) 四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術等 手術・処置等1 なし 副傷病なし 44 7.27 5.41 0.00% 45.64
070230XX01XXXX 膝関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 42 25.12 23.56 45.24% 73.74
070160XX01XXXX 上肢末梢神経麻痺 手根管開放手術等 28 4.14 4.70 3.57% 64.89

当科は関節、スポーツ障害、骨軟部腫瘍、手・足の障害、脊椎、外傷といった全てのスペシャリティ領域の専門家を揃えております。その中でも人工関節が必要となる関節疾患や、四肢の骨腫瘍、複雑な病態を有する脊椎疾患やスポーツ障害、末梢神経障害は他施設からの紹介が多く、専門的な治療に当たっております。

泌尿器科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110080XX991X0X 前立腺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1 あり 副傷病なし 138 2.19 2.49 0.00% 69.73
11001XXX01X0XX 腎腫瘍 腎(尿管)悪性腫瘍手術等 手術・処置等2 なし 67 12.55 11.14 1.49% 64.24
110080XX01XXXX 前立腺の悪性腫瘍 前立腺悪性腫瘍手術等 65 14.43 12.18 0.00% 67.95
110060XX99X20X 腎盂・尿管の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2 2あり 副傷病なし 54 8.94 10.84 0.00% 69.28
120090XX97XXXX 生殖器脱出症 手術あり 42 12.88 8.65 0.00% 72.29

当科は前立腺癌の診療に以前から力を入れており、手術(ロボット前立腺全摘術)、放射線治療(密封小線源埋込療法(Seed implant)、高線量率組織内照射(HDR-brachytherapy)、強度変調放射線治療(IMRT))、ホルモン療法、抗がん剤治療など主要な前立腺癌診療モダリティを網羅しています。個々の患者さんにとって最適な治療を選択することが可能であるという強みがあります。このため患者数第1位、第3位が前立腺癌診療のための入院で、第1位は前立腺生検の入院、第3位はロボット前立腺全摘除術です。昨年第5位だったHDR-brachytherapyのための入院は第6位以下に後退したものの、30名程度の入院があります。限局性前立腺癌に対する治療であるロボット前立腺全摘、HDR-brachytherapy、およびSeed implantを合わせると100名以上の入院数となり、昨年に比べ増加傾向です。
第2位の腎尿管悪性腫瘍手術は主に腎細胞癌、腎盂癌の手術であり、一部の進行癌を除いて、最近は全国的にほとんどが腹腔鏡を用いて手術を行っています。また術前および術後化学療法を必要とする進行がんや、転移癌など切除不能な腎細胞がん・腎盂尿管がんの紹介が増加しており、その結果として化学療法など手術以外の目的での入院が第4位となりました。
本年度も、膀胱腫瘍に対して手術を行う入院患者は多いはずですが、ランクインしておりません。アミノレブリン酸による光線力学診断 (PhotoDynamic Diagnosis: PDD) を用いた経尿道的膀胱腫瘍切除術を積極的に行っているためと考えます。PDDを行った場合の入院は出来高算定ですが、2020年4月よりDPC算定となったため、来年度は上位にランクインすることが予想されます。
女性の生殖器脱出症の症例が多いのは当科の特色ですが、患者数は減少傾向であり、他疾患の入院患者が増加したことによりランク外となりました。手術件数は昨年と変わりなく、入院患者数に変化はありません。この手術を行っている病院が少ないことから、遠方からの紹介も少なくなく、手術待ち期間が長くなってしまっていることについても昨年と同様です。

眼科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020220XX97XXX0 緑内障 手術あり 片眼 254 11.20 7.53 0.39% 69.13
020110XX97XXX1 白内障、水晶体の疾患 手術あり 両眼 206 6.97 5.09 0.00% 71.04
020110XX97XXX0 白内障、水晶体の疾患 手術あり 片眼 148 4.09 2.78 0.00% 68.28
020220XX99XXXX 緑内障 手術なし 144 4.06 3.59 0.00% 63.51
020160XX97XXX0 網膜剥離 手術あり 片眼 106 8.03 9.33 0.00% 55.34

当科では、眼科における専門性の高い治療を行っているため、多くの患者さんが紹介受診されます。緑内障に関しては、必要に応じて手術治療を行い、生涯にわたる管理につなげています。水晶体疾患に関しては、難症例に対応しています。緊急疾患である網膜剥離に対しては、高度な技術を要する硝子体手術を行っています。その他、角膜移植を必要とする角膜疾患や、眼瞼疾患、涙器疾患、眼窩疾患にも対応しています。

耳鼻いんこう科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030440XX01XXXX 慢性化膿性中耳炎・中耳真珠腫 鼓室形成手術 66 10.45 7.85 0.00% 37.27
030150XX97XXXX 耳・鼻・口腔・咽頭・大唾液腺の腫瘍 手術あり 36 10.00 7.24 0.00% 54.27
030350XXXXXXXX 慢性副鼻腔炎 34 8.74 6.80 0.00% 56.44
100020XX010XXX 甲状腺の悪性腫瘍 甲状腺悪性腫瘍手術 切除等 手術・処置等1 なし 30 12.63 8.44 0.00% 59.33
03001XXX01000X 頭頸部悪性腫瘍 頸部悪性腫瘍手術等 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 副傷病なし 24 16.08 13.11 0.00% 67.00

当科の特徴としては、頭頸部悪性腫瘍に対する集学的治療や顕微鏡下の耳科手術など、高度な専門知識と技術を要する診療を主に行っています。また地方都市の大学病院であるため、同時に分野に偏りのない診療も担っています。これらの疾患患者は主に地域の関連病院や開業医から紹介され、高い紹介率を保っています。それぞれの疾患において、きめの細かい診療を行い、かつ短期入院を目指すことで患者満足度を上げる努力をしています。

産婦人科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
12002XXX99X40X 子宮頸・体部の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2 4あり 副傷病なし 181 5.23 4.58 0.00% 58.02
120010XX99X50X 卵巣・子宮附属器の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2 5あり 副傷病なし 96 5.47 4.39 0.00% 60.28
120010XX99X40X 卵巣・子宮附属器の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2 4あり 副傷病なし 57 6.63 4.82 0.00% 66.84
12002XXX02X0XX 子宮頸・体部の悪性腫瘍 子宮頸部(腟部)切除術等 手術・処置等2 なし 51 3.57 3.13 0.00% 40.08
12002XXX01X0XX 子宮頸・体部の悪性腫瘍 子宮悪性腫瘍手術等 手術・処置等2 なし 40 15.32 12.29 0.00% 54.38

数多くの良性腫瘍、悪性腫瘍の患者さんが紹介されます。病態を適切に見極め、可能な場合は腹腔鏡下手術やロボット支援下手術など低侵襲手術を積極的に取り入れています。子宮頸癌、子宮体癌、卵巣癌の進行がんに対しては、手術のみならず放射線治療、化学療法も行っており、遺伝情報に基づく治療も検討しています。外来での化学療法も可能です。

脳神経外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010030XX9910XX 未破裂脳動脈瘤 手術なし 手術・処置等1 あり 手術・処置等2 なし 60 2.88 3.01 0.00% 63.32
010010XX01X10X 脳腫瘍 頭蓋内腫瘍摘出術等 手術・処置等2 1あり 副傷病なし 43 26.07 30.63 16.28% 53.93
010030XX03X00X 未破裂脳動脈瘤 脳血管内手術 手術・処置等2 なし 副傷病なし 33 13.48 9.24 0.00% 64.88
010070XX9912XX 脳血管障害 手術なし 手術・処置等1 あり 手術・処置等2 2あり 29 5.41 5.11 0.00% 59.59
010010XX99000X 脳腫瘍 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 副傷病なし 24 7.79 11.27 12.50% 47.29

当科では脳腫瘍の手術の専門医がおり、石川県のみならず北陸全般より多くの患者さんが治療目的に入院されております。特に覚醒下脳手術を目的に全国からの紹介があります。下垂体腫瘍を含む手術困難な深部病変に対しては神経内視鏡を用いた治療を行うことができます。また脳動脈瘤の治療に際しては、開頭クリッピング手術に加えてより低侵襲な血管内手術も行っており、高難度の血管障害に関して多くの紹介があります。

放射線診断科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
100020XX99X2XX 甲状腺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2 2あり 36 10.86 6.31 0.00% 51.78
100020XX99X5XX 甲状腺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2 5あり 19 10.11 8.49 0.00% 57.63
100140XX99X2XX 甲状腺機能亢進症 手術なし 手術・処置等2 2あり - - 9.43 - -
100020XX99X00X 甲状腺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2 なし 副傷病なし - - 8.15 - -

当科では甲状腺癌と甲状腺機能亢進症に対するI-131内用療法に力を入れており、症例数が多くなっています。甲状腺癌に対するI-131内用療法は主に入院で、甲状腺機能亢進症に対するI-131内用療法は主に外来で治療を行っています。特に、甲状腺癌に対するI-131内用療法は、北陸3県の中核施設としての役割を担っています。

腫瘍内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040040XX99040X 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 4あり 副傷病なし 24 8.33 9.59 0.00% 68.62
040040XX9910XX 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1 あり 手術・処置等2 なし 16 2.94 3.34 0.00% 71.50
060030XX99X3XX 小腸の悪性腫瘍、腹膜の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2 3あり 12 8.42 7.15 0.00% 67.42
06007XXX9910XX 膵臓、脾臓の腫瘍 手術なし 手術・処置等1 あり 手術・処置等2 なし - - 4.80 - -
06007XXX97X00X 膵臓、脾臓の腫瘍 その他の手術あり 手術・処置等2 なし 副傷病なし - - 12.83 - -

当科では難治性悪性腫瘍である膵臓がんや肺がんを中心に、化学(放射線)療法、緩和治療を行っています。化学療法の方針決定に不可欠な組織診断のため肺の悪性腫瘍に対する気管支鏡検査、膵臓がんに対する超音波内視鏡下穿刺吸引法検査を施行し、遺伝子検査も含め診断の確定を行っています。また原疾患や化学療法に伴う合併症に対しても、外来での診断後、必要な症例については早期に入院加療を行うことにより症状の改善を図っています。

初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数

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初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 67 14 46 38 26 52 1 7
大腸癌 29 20 15 - 42 33 1 7
乳癌 257 246 14 22 13 131 1 7,8
肺癌 344 115 182 272 222 167 1 7,8
肝癌 133 83 18 - 33 405 1 7,8
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約

5大癌の病期ごとの患者数を延患者数で集計したものです。 初発の患者数としては、肺癌が最も多く、次いで乳癌となっています。肺癌ではステージⅠの患者さんが多いのが特徴的です。再発患者数は、肝癌、肺癌、乳癌の順に多くなっています。 当院は「都道府県がん診療連携拠点病院」として、手術だけでなく抗がん剤治療、放射線治療など患者さんに応じた治療法を行っています。

成人市中肺炎の重症度別患者数等

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患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 19 16.11 49.95
中等症 84 15.58 68.95
重症 - - -
超重症 13 21.69 79.38
不明 - - -

成人(15歳以上)の肺炎患者さんについて重症度別に患者数、平均在院日数、平均年齢を集計したものです。重症度が高いと平均年齢が高くなり、平均在院日数が長くなる傾向があります。

脳梗塞の患者数等

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発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 38 22.45 70.74 65.79%
その他 - - - -

当院は急性脳梗塞に対して血栓溶解療法が適用になる場合は24時間365日対応しています。さらに血管内治療専門医3名の体制で血栓回収術も積極的に行い治療効果を上げています。

診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)

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消化器内科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K697-31ロ 肝悪性腫瘍ラジオ波焼灼療法(一連として)(2センチメートル以内のもの)(その他のもの) 90 4.43 5.62 0.00% 72.62
K6152 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(選択的動脈化学塞栓術) 88 3.91 9.58 0.00% 74.47
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 63 10.76 13.03 7.94% 67.63
K6532 内視鏡的胃ポリープ・粘膜切除術(早期悪性腫瘍粘膜下層) 54 1.48 6.91 0.00% 72.22
K533-2 内視鏡的食道・胃静脈瘤結紮術 34 6.50 8.26 0.00% 65.41

当院の消化器内科では、食道、胃及び十二指腸、小腸、大腸などの消化管の診断・治療、肝胆膵疾患の診断・治療など、複数の消化器臓器の診療を担当しています。そのなかで手術件数が多いのは肝癌に対するラジオ波焼灼療法、肝動脈化学塞栓療法であり、また胆石症や胆管癌、膵癌による胆管狭窄・閉塞に対する内視鏡的胆道ステント留置術の件数も増えています。
早期胃癌、早期大腸癌に対する内視鏡的粘膜下層剥離術、ポリープ切除術、食道胃静脈瘤に対する内視鏡的静脈瘤結紮術、硬化療法や地固め療法(アルゴンプラズマ凝固法)など、内視鏡を用いた低侵襲治療も数多く行っています。 

内分泌・代謝内科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2センチメートル未満) 17 8.53 4.41 0.00% 63.18
K7212 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2センチメートル以上) - - - - -
K300 鼓膜切開術 - - - - -
K0051 皮膚,皮下腫瘍摘出術(露出部)(長径2㎝未満) - - - - -
K0841 四肢切断術(大腿) - - - - -

甲状腺、副腎、下垂体をはじめとする内分泌臓器のホルモン産生腫瘍に対して、耳鼻咽喉科・頭頸部外科、胃腸外科、脳神経外科、泌尿器科、核医学診療科等と連携して診療にあたっています。手術後に当科に転科し、治癒判定やホルモン補充療法を担当しています。
また糖尿病患者さんの血糖増悪因子として消化管をはじめ悪性腫瘍の検索を行い、可能であれば、消化器内科と連携して内視鏡的に切除しています。

リウマチ科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2センチメートル未満) 12 8.25 12.17 0.00% 67.08
K234 眼窩内腫瘍摘出術(表在性) - - - - -
K6261 リンパ節摘出術(長径3センチメートル未満) - - - - -
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 - - - - -
K610-3 内シャント設置術 - - - - -

<内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術について>
全身性自己免疫疾患に対して強力な免疫抑制療法を行う際には、感染症の併存や全身の悪性腫瘍合併の有無を明らかにし、治療導入前に対処しておく必要があります。当科では、そのような全身精査の結果、一定の確率で大腸に切除術が必要な腫瘍性病変を認め、免疫抑制療法導入前に適切な対処を行っています。
<眼窩内腫瘍摘出術について>
全身性自己免疫疾患には眼病変を伴うことも多く、眼窩内に腫瘍に類似した腫瘤性病変を呈することがあります。また、一部には悪性リンパ腫などの悪性腫瘍の合併もみられます。両者の治療方針が大きく異なるため、当科では正しい診断のもと適切な治療を行うことを目的に、眼科と連携し眼窩内腫瘍摘出による正確な組織学的評価を積極的に行っています。
<リンパ節摘出術について>
全身性自己免疫疾患にはリンパ節病変を伴うことも多く、また一方で、一部には悪性リンパ腫などの悪性腫瘍の合併もみられます。両者の治療方針が大きく異なるため、当科では正しい診断のもと適切な治療を行うことを目的に、外科系各科と連携しリンパ節摘出による正確な組織学的評価を積極的に行っています。
<経尿道的尿管ステント留置術について>
全身性もしくは臓器限局型の自己免疫疾患自体が尿路の狭窄、閉塞を起こした場合や、それらの疾患に対する免疫抑制療法施行中に腎臓または尿路の感染症が合併した場合に、腎機能障害や感染症の重篤化を予防するために尿路の確保が必要になることがあります。当科では、泌尿器科と連携し必要かつ適切なタイミングでの経尿道的尿管ステント留置術を積極的に行っています。
<内シャント設置術について>
全身性自己免疫疾患や腎疾患により腎不全が進行した場合の腎代替療法として、血液透析を選択された場合には、継続的な透析施行のために内シャント設置術が必要となります。当科では、腎代替療法についての十分な説明のもと血液透析を選択された患者さんに、血管外科とも連携し適切なタイミングで内シャント設置術を行っています。

循環器内科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5951 経皮的カテーテル心筋焼灼術(心房中隔穿刺又は心外膜アプローチを伴うもの) 140 3.31 4.99 1.43% 65.65
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他のもの) 69 3.29 3.77 1.45% 70.06
K5952 経皮的カテーテル心筋焼灼術(その他のもの) 62 2.71 5.85 0.00% 54.84
K555-22 経カテーテル大動脈弁置換術(経皮的大動脈弁置換術) 28 17.54 17.29 39.29% 85.18
K5481 経皮的冠動脈形成術(高速回転式経皮経管アテレクトミーカテーテル) 23 4.83 5.17 4.35% 74.65

狭心症、急性心筋梗塞などの虚血性心疾患は、心筋を栄養する血管である冠動脈の狭窄、閉塞が原因で心筋虚血が引き起こされるため、狭窄、閉塞部位を解除する治療が必要となります。複雑な病変でなければ、カテーテルにより冠動脈の狭窄をバルーンにて拡張し、また石灰化等による複雑な病変には、高速回転式経皮経管アテレクトミーにて病変を切削し、十分な内腔を確保したのちステントを留置して狭窄を解除します。
心臓弁膜症に関しては、高齢化社会に伴い超高齢者の大動脈弁狭窄症が年々増加傾向にあります。従来の外科的弁置換術では侵襲が大きすぎ適応となりにくい虚弱度の高い患者さんに対して、近年当院で施行可能となった経カテーテル大動脈弁置換術を行い、低侵襲に治療をおこなっております。また心筋内の異常経路を伝わって起こる不整脈には、異常伝導部位をカテーテルにて解析し、心筋焼灼用カテーテルを用いて高周波で不整脈の原因となる伝導部位を焼灼して根治術を行っています。さらに不整脈の中で最も多い心房細動に対しては、カテーテルにて右心房と左心房の間の心房中隔を穿刺し、心房細動の原因である肺静脈と心房の間をカテーテルにて焼灼して根治術を行っています。

腎臓内科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K616-4 経皮的シャント拡張術・血栓除去術 29 1.93 10.38 6.90% 63.97
K610-3 内シャント設置術 24 14.12 13.96 8.33% 65.50
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2センチメートル未満) 15 12.00 13.00 6.67% 71.47
K6147 血管移植術、バイパス移植術(その他の動脈) - - - - -
K635-3 連続携行式腹膜灌流用カテーテル腹腔内留置術 - - - - -

本邦では2018年の透析への導入患者数は4万人を超えています。末期腎不全の患者さんに対する、ブラッドアクセス(内シャント)の新規作成や形成術、および腹膜透析に必要なCAPDチューブ留置についても本院の専門医に依頼して行っております。また維持透析患者のブラッドアクセス不全に対し、本院の専門医に経皮的シャント拡張術・血栓除去術を依頼して行っております。腎臓病や自己免疫疾患の患者さんに対して悪性腫瘍の検索を行い、大腸や胃などの消化管病変に対しては必要に応じ、消化器内科と連携して内視鏡的に切除しています。

皮膚科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0072 皮膚悪性腫瘍切除術(単純切除) 18 3.61 16.67 0.00% 73.28
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2センチメートル未満) 10 14.40 8.00 0.00% 60.80
K0071 皮膚悪性腫瘍切除術(広汎切除) - - - - -
K0132 分層植皮術(25平方cm以上100平方cm未満) - - - - -
K0033 皮下血管腫摘出術(露出部)(長径6㎝以上) - - - - -

皮膚科では悪性黒色腫、有棘細胞癌、基底細胞癌などの皮膚悪性腫瘍の切除および再建術を中心に行っています。腫瘍の大きさや部位などに応じて、植皮術・局所皮弁など適切な再建法を選択しています。また悪性黒色腫に対しては、センチネルリンパ節生検も行っています。

心臓血管外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5612ロ ステントグラフト内挿術(腹部大動脈) 43 3.72 11.84 0.00% 76.16
K552-22 冠動脈、大動脈バイパス移植術(人工心肺を使用しないもの)(2吻合以上のもの) 32 12.03 22.72 0.00% 64.22
K6153 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(その他のもの) 29 2.69 4.83 6.90% 75.97
K5551 弁置換術(1弁のもの) 22 9.05 21.45 18.18% 67.41
K560-21 オープン型ステントグラフト内挿術(弓部大動脈) 21 4.38 39.24 47.62% 67.86

手術はより低侵襲に、高齢な患者さんでも安心して手術が受けられるように変化しています。心臓血管外科では年間400症例を超える手術を行っています。主な手術の一つは冠動脈バイパス術です。当科ではほとんどの症例で人工心肺を用いず心臓を動かしたまま手術を行うオフポンプ冠動脈バイパス術を施行しています。並んで多いのは弁膜症に対する弁置換術ですが、僧帽弁はもとより大動脈弁に対しても、人工弁を用いない弁形成術を積極的に行っています。また大動脈瘤や大動脈解離に対してはステントグラフト内挿術や弓部置換、胸腹部置換など大きな手術も行っております。低侵襲手術は術後の回復が早く極めて有効な方法ですが、病気の根治性や長期成績を損なってはいけません。当科ではこの低侵襲と長期成績のバランスを的確に判断し外科治療をおこなっています。

呼吸器外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K514-23 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(肺葉切除又は1肺葉を超えるもの) 79 4.76 14.25 3.80% 70.61
K514-21 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(部分切除) 49 3.57 11.27 0.00% 65.49
K5143 肺悪性腫瘍手術(肺葉切除又は1肺葉を超えるもの) 24 5.67 16.83 0.00% 71.08
K514-22 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(区域切除) 22 3.55 11.27 0.00% 69.86
K514-23 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(肺葉切除又は1肺葉を超えるもの)(内視鏡手術用支援機器を用いて行った場合) 17 7.29 12.88 0.00% 68.65

当科では原発性肺癌や転移性肺腫瘍などの肺悪性腫瘍、そして縦隔悪性腫瘍に対する手術が非常に多く、腫瘍の進行度や患者さんの耐術能を考慮し、最適の術式選択を心がけています。手術は患者さんの術後の生活の質(QOL)を考慮し、ロボット支援下手術を含めた内視鏡手術を積極的に行っています。患者さんには術前後のリハビリテーションを積極的に行っていただき、できるだけ早い社会復帰をしていただけるよう心がけています。
ロボット支援下手術につきましては、肺悪性腫瘍に関して葉切除が、縦隔腫瘍に関しては良性腫瘍、悪性腫瘍、重症筋無力症が2018年11月から、さらに肺悪性腫瘍に関して、区域切除が2020年4月から保険収載され、当科でも積極的に施行しております。悪性胸膜中皮腫に関しては胸膜肺全摘術に加えて、新たに胸膜切除/肺剥皮術が2019年8月から新たに収載され、本手術も当科で開始しております。

<施設基準に関する補足>
「ロボット支援下手術(内視鏡手術用支援機器を用いて行った場合)」
これまで、2018年11月から胸部では肺悪性腫瘍と縦隔腫瘍が適用となっていました。
2020年4月から以下が追加になりました。
・肺悪性腫瘍手術の肺葉切除以上でしたが、2020年4月区域切除も追加になりました。
・縦隔は良性および悪性腫瘍でしたが、2020年4月重症筋無力症に対する拡大胸腺全摘術も追加になりました。
「悪性胸膜中皮腫」
2019年8月胸膜切除、肺剥皮除も追加になりました。

胃腸外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 28 6.29 17.11 0.00% 69.68
K529-21 胸腔鏡下食道悪性腫瘍手術(頸部、胸部、腹部の操作によるもの)(内視鏡手術用支援機器を用いる) 20 6.10 44.35 5.00% 66.65
K740-22 腹腔鏡下直腸切除・切断術(低位前方切除術) 20 4.65 28.05 0.00% 62.25
K6335 ヘルニア手術(鼠径ヘルニア) 17 1.18 1.00 0.00% 2.00
K6572 胃全摘術(悪性腫瘍手術) 17 5.76 21.18 0.00% 68.41

結腸癌はもとより、高難度の低位直腸癌であっても経肛門的腹腔鏡を併用した鏡視下手術を積極的に行っています。その際には縫合不全を回避するために、人工肛門を回腸に併設する必要があり、人工肛門閉鎖術も多く行われています。人工肛門を併設した症例では、患者自身による人工肛門のケアを習得する必要があり、入院日数はやや長くなります。食道癌についてはロボット手術を多く導入していますが、低侵襲手術とはいえ、術後の嚥下リハビリに時間を要することがあり、入院日数は長めとなっています。
胃癌については幽門側胃切除、噴門側胃切除、胃全摘をそれぞれ症例に応じて開腹、鏡視下、ロボット支援下で行っており、突出して多い手術術式はありませんが、高度進行胃癌に対するConversion手術は開腹胃全摘になる傾向にあり、術後の食事療法のため、入院日数は長めです。
一方、小児の鼠径ヘルニア手術は翌日に退院するもっとも頻度の高い術式ですが、水腎症や膀胱尿道逆流症などの泌尿器疾患や神経芽腫、ウィルムス腫瘍などの悪性腫瘍の手術も行っています。急性虫垂炎や胃食道逆流症に対しては、積極的に鏡視下手術を行っています。

肝臓・胆のう・膵臓・移植外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6951 肝切除術(部分切除) 25 6.20 18.16 0.00% 65.20
K695-21 腹腔鏡下肝切除術(部分切除) 23 5.00 14.48 0.00% 70.61
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 15 12.60 13.27 6.67% 73.67
K7032 膵頭部腫瘍切除術(リンパ節・神経叢郭清等を伴う腫瘍切除術の場合) 14 12.29 46.14 0.00% 64.79
K7022 膵体尾部腫瘍切除術(リンパ節・神経叢郭清等を伴う腫瘍切除術の場合) 13 6.62 33.38 0.00% 72.92

当科では膵癌に対して術前化学療法を行ってから根治的手術を行うことで、治療成績のさらなる向上に努めております。外科治療の適応のない患者さんや術後に再発を認めた患者さんに対しましても、胆道ステント留置や化学療法から緩和的治療に至るまで、幅広い診療を行っておリます。また、診断・治療においては他施設からのセカンドオピニオンを積極的に受け入れております。

乳腺外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K4762 乳腺悪性腫瘍手術(乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わないもの)) 58 1.24 7.53 0.00% 58.98
K4763 乳腺悪性腫瘍手術(乳房切除術(腋窩部郭清を伴わないもの)) 48 1.19 12.50 0.00% 60.56
K4765 乳腺悪性腫瘍手術(乳房切除術(腋窩鎖骨下部郭清を伴うもの)・胸筋切除を併施しないもの) 17 1.00 17.12 0.00% 53.24
K4764 乳腺悪性腫瘍手術(乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴うもの(内視鏡下によるものを含む。))) - - - - -
K4768 乳腺悪性腫瘍手術(乳輪温存乳房切除術(腋窩郭清を伴わないもの)) - - - - -

乳がん(乳腺悪性腫瘍)に対する手術は、乳房部分切除と乳房切除術の2つがあり、がんの広がりに合わせて選択します。当科では乳房部分切除の割合が6割程度で、4割が乳房切除です。乳房切除された患者さんのうち約30%の方が乳房再建術を行っています。人工物を使用する乳房再建が保険適用になってからは乳房再建を希望される患者さんの割合は増加傾向にあります。腋窩手術に関しては近年はセンチネルリンパ生検が約90%を占め、腋窩リンパ節郭清を行う患者さんは少なくなってきています。

整形外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0821 人工関節置換術(股) 110 3.33 16.49 19.09% 60.98
K079-21 関節鏡下靱帯断裂形成手術(十字靱帯) 52 1.02 8.38 3.85% 24.87
K0821 人工関節置換術(膝) 44 3.52 20.18 45.45% 73.32
K1422 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(多椎間又は多椎弓の場合を含む。)(後方又は後側方固定) 35 7.83 25.09 54.29% 63.06
K1423 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(多椎間又は多椎弓の場合を含む。)(後方椎体固定) 29 4.38 21.00 27.59% 69.79

当科は関節、スポーツ障害、脊椎、骨軟部腫瘍、手・足の障害、外傷といった全てのスペシャリティ領域の専門家を揃えております。その中でも関節・スポーツ疾患は他施設からの紹介が多く、人工股・膝関節置換術や靱帯再建術を積極的に行い、早期の機能回復に努めています。また種々の脊椎疾患に関しても、より合併症の少ない治療を目指しています。

泌尿器科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用のもの) 80 2.76 5.62 0.00% 73.99
K843-4 腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術(内視鏡手術用支援機器を用いるもの) 66 2.64 10.62 0.00% 67.94
K007-2 経皮的放射線治療用金属マーカー留置術 37 3.68 4.14 0.00% 70.11
K802-21 膀胱脱手術(メッシュを使用するもの) 36 2.75 8.97 0.00% 73.00
K773-5 腹腔鏡下腎悪性腫瘍手術(内視鏡手術用支援機器を用いるもの) 30 2.63 8.57 0.00% 64.97

第1位の膀胱悪性腫瘍に対する経尿道的手術はアミノレブリン酸による光線力学診断 (PhotoDynamic Diagnosis: PDD) を用いた切除術が導入されました。再発率の低下が見込める優れた手法ですが、1日1件しか行えない体制となっているため、実数は頭打ちとなっています。PDDを希望され他院から紹介いただく患者さんが増え、昨年よりも実数が増加しています。第2位は、ロボット支援前立腺全摘術です。多数ある限局性前立腺癌の治療のなかで半分の患者さんがロボット支援前立腺全摘術を選択しているため第2位となっています。第3位の経皮的放射線治療用金属マーカー留置術は主に限局性前立腺癌に対する高線量率前立腺組織内照射の際に行う手術です。第4位の骨盤臓器脱に対するメッシュを使用した膀胱脱手術は、昨年と同様の手術件数です。昨年は腹腔鏡下腎(尿管)悪性腫瘍手術が5位でしたが、腎細胞がんに対して積極的に腎温存手術を取り入れるようになったため、代わってロボット支援腎部分切除術が第5位となりました。腹腔鏡下腎(尿管)悪性腫瘍手術は昨年よりも減少しましたが、依然として年間30件近く実施しています。

眼科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2821ロ 水晶体再建術(眼内レンズを挿入する場合)(その他のもの) 330 3.07 1.63 0.00% 69.73
K2801 硝子体茎顕微鏡下離断術(網膜付着組織を含むもの) 273 1.38 5.88 0.00% 63.81
K2682 緑内障手術(流出路再建術) 189 2.51 5.07 0.00% 69.94
K2683 緑内障手術(濾過手術) 137 1.39 12.68 0.73% 68.84
K2802 硝子体茎顕微鏡下離断術(その他のもの) 75 0.99 4.92 0.00% 69.64

当科では、眼科における高難易度の術式を数多く行っています。水晶体再建術は難症例が多く占めており、眼内レンズの固定が困難な症例に対しては最新の眼内レンズ強膜内固定術を行っています。また高度な技術を要する網膜硝子体手術は最新の27ゲージシステムを導入しています。緑内障手術の件数は年間350件以上であり、これは国内でトップクラスの件数です。緑内障の流出路再建術に関しては、眼内アプローチによるスーチャートラベクロトミーを積極的に行っています。また、角膜移植も数多く手がけており、全層角膜移植、深層層状角膜移植、角膜内皮移植(DSAEK/DMEK)など、先端的な術式を取り入れ、成果をあげています。さらに眼瞼、涙器、眼窩の手術も行っています。

耳鼻いんこう科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K3191 鼓室形成手術(耳小骨温存術) 43 2.07 7.14 0.00% 36.23
K3192 鼓室形成手術(耳小骨再建術) 39 1.92 7.23 0.00% 37.51
K3932 喉頭腫瘍摘出術(直達鏡によるもの) 22 2.36 4.05 0.00% 60.64
K340-5 内視鏡下鼻・副鼻腔手術3型(選択的(複数洞)副鼻腔手術) 16 1.94 8.44 0.00% 57.25
K340-6 内視鏡下鼻・副鼻腔手術4型(汎副鼻腔手術) 16 1.56 5.12 0.00% 53.75

慢性中耳炎や真珠腫性中耳炎に対する鼓室形成術、喉頭微細手術、慢性副鼻腔炎などに対する鼻内内視鏡手術の件数が多い傾向にあります。鼓室形成術の平均在院日数は7日程度、喉頭微細手術は4日程度、鼻内内視鏡手術は5~8日程度でした。

産婦人科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K867 子宮頸部(腟部)切除術 44 1.09 1.55 0.00% 39.14
K8882 子宮附属器腫瘍摘出術(両側)(腹腔鏡によるもの) 40 0.88 4.55 0.00% 42.38
K8981 帝王切開術(緊急帝王切開) 36 3.64 7.03 0.00% 31.69
K889 子宮附属器悪性腫瘍手術(両側) 33 3.27 17.91 0.00% 56.58
K879 子宮悪性腫瘍手術 26 3.50 20.81 0.00% 52.65

多くの婦人科腫瘍手術を実施しています。開腹手術のみならず腹腔鏡下手術も多数実施しており、ロボット支援下手術にも取り組んでいます。ハイリスク妊婦も受け入れており、24時間対応可能です。

脳神経外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K1692 頭蓋内腫瘍摘出術(その他のもの) 86 7.72 27.36 16.28% 56.77
K1781 脳血管内手術(1箇所) 32 1.97 15.44 12.50% 62.19
K171-21 内視鏡下経鼻的腫瘍摘出術(下垂体腫瘍) 19 7.68 13.63 0.00% 54.00
K1783 脳血管内手術(脳血管内ステントを用いるもの) 15 4.33 11.20 0.00% 66.40
K1741 水頭症手術(脳室穿破術(神経内視鏡手術によるもの)) 14 4.71 9.64 7.14% 33.00

最も手術数が多かったのは頭蓋内腫瘍摘出術であり県内、北陸圏内において屈指の手術数がございます。特に覚醒下脳手術の目的のため全国からの紹介があります。内視鏡を用いた経鼻的下垂体腫瘍摘出術も特殊な技術を要する治療で多くの患者さんが紹介されています。また当科は血管内治療専門医が3人常勤している体制で治療を行っており、急性期脳血管障害に対する血管内手術も多く行っています。同時に開頭手術であるクリッピング術も行い、開頭と血管内の両方を行う施設であります。全体的に安定した手術件数を維持しております。

腫瘍内科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 11 9.00 15.27 9.09% 75.91
K708-3 内視鏡的膵管ステント留置術 - - - - -
K6112 抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置(四肢) - - - - -
K651 内視鏡的胃、十二指腸ステント留置術 - - - - -
K6151 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(止血術) - - - - -

当科では難治性悪性腫瘍である膵臓がんや肺がんを中心に、化学(放射線)療法、緩和治療を行っています。手術として、腫瘍による胆道閉塞及び消化管狭窄に対するステント留置術や食事摂取不良改善や点滴ルート確保を目的とした皮下埋め込み式カテーテルの造設を行っています。当科では、患者さんの生活の質(QOL)の維持を目標とした全人的医療の実践を心がけています。

その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

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DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる - -
180010 敗血症 同一 20 0.14%
異なる - -
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 78 0.54%
異なる - -

敗血症は肺炎や腎盂腎炎など身体のある部分で感染症を起こしている場所から血液中に病原体が入り込み、重篤な全身症状をひきおこします。背景に悪性腫瘍、血液疾患、糖尿病、肝・腎疾患、膠原病といった基礎疾患がある場合が多いとされており、当院でもそのような患者さんが入院しています。ここでの手術・処置等の合併症とは、透析患者さんのシャント閉塞の治療目的や、術創部の感染、人工股関節・眼内レンズ等の脱臼を示します。

更新履歴


 2020/09/24 初版