金沢大学附属病院 Kanazawa University Hospital

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脳神経外科「赤ちゃんの頭のかたち外来」

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ご案内

当院は、北陸地域の基幹病院として長い歴史を持ち、脳や神経に先天的な病気を患った多くの赤ちゃんを診察しています。その中には「頭蓋骨縫合早期癒合症」という病気も含まれており、頭の形が変わってしまったと心配して来院される方が多いです。実際には、多くの場合、病気ではなく、頭の形が少し変わっているだけで、病気としての「頭蓋骨縫合早期癒合症」は少ないです。

頭の形が変わるのは、生まれた後の赤ちゃんがいつも同じ方向を向いて寝ることや、母親のお腹の中での位置が原因で、後頭部が平らになったりすることが多いです。このような変形が軽い場合は、赤ちゃんが自分で寝返りを打てるようになると自然に治ることが期待できます。それまでの間は、寝かせ方を工夫したり、うつぶせの時間を増やすことで改善が見込めます。

しかしながら、頭の形が大きく変わってしまう場合には、耳やおでこ、目、頬、あごの位置もずれることがあります。このような場合、先ほど述べた方法だけでは治らないことがあります。こうしたケースでは、ヘルメットを使った矯正治療が効果的であることがわかっています。海外では1990年代から、日本では2012年から保険外の診療として行われています。

当院でも、2024年11月に「赤ちゃんの頭のかたち外来」を開設し、ヘルメット治療を開始しました。

自由診療「ヘルメット治療」とは

ヘルメット治療とは、赤ちゃんの頭のゆがみを改善するために行われる治療のことです。赤ちゃんの頭の骨はやわらかいため、日常生活のちょっとしたことでゆがんでしまいます。こうしたゆがみを改善するために、頭蓋形状矯正ヘルメットをかぶることで、自然な頭の形に頭蓋骨を成長させていく治療が「ヘルメット治療」です。
頭蓋骨がまだやわらかい生後2~6ヶ月の間にこの治療を開始すると、より良い効果が得られるとされています。

治療期間・回数

治療期間:おおよそ半年間となります。ヘルメット装着期間はおおよそ6か月です。
治療回数:6~7回(※それ以上となる場合があります。)

費用

頭のゆがみの原因の診断は保険診療となりますが、ヘルメット治療は自費診療になります。
自費診療に係る費用は以下のとおりです。
・頭蓋矯正ヘルメット療法:550,000円(税込)

リスク

  • 皮膚炎(発赤、ただれ)が起こる可能性があります。
  • 皮膚の損傷(水疱、剥がれ、出血等)が起こる可能性があります。
   

ヘルメット治療の流れ

当院で行うヘルメット治療の流れです。

STEP1 レントゲン検査をする

レントゲン撮影により、病的な頭蓋変形(頭蓋縫合早期癒合症等)でないかを確認します。

STEP2 適応診断をする

診察では、脳神経外科医師の視診・触診を通して、変形の診断と重症度(レベル1~4)を判定し、診察時の月齢を考慮した上でヘルメット治療の適応を判断します。

STEP3 ヘルメットをつくる

3Dスキャナー撮影データをもとに、現在の変形した形から、矯正後の最終的な頭の形を想定したオーダーメイドのヘルメットを作成します。(2週間程度で完成します。)

STEP4 治療スタート

ヘルメット装着開始。基本的には入浴以外の1日23時間、6ヶ月前後の装着を推奨しています。

STEP5 定期的な診察

装着から約2ヶ月後に3Dスキャン検査を行い、ヘルメットの装着状況や矯正による頭蓋変形を確認します。その後は、約4週間ごとに診察し、頭の成長や矯正された改善度に合わせてヘルメットの再調整を行います。

STEP6 治療終了

3Dスキャン検査を行い確認し、矯正された頭蓋変形の改善度、頭蓋成長の度合い、治療に必要な装着時間の確保の有無などをもとに、医師が判断します。

受診について

本院は予約制です。
初めて受診を希望される方は、原則紹介元医療機関を通じて、「初診予約担当」にて事前に予約をお取りください。
予約の詳細は外来診療のご案内を確認ください。

  • 外来日:初診・再診とも原則第2、第4月曜日午後
        ※年末年始、祝日等により診療週が前後する場合がございます。
  • 担当医師:笹川 泰生、大石 正博
 

問い合わせ先

 

金沢大学附属病院 脳神経外科

窓口076-265-2000(内線 2901)