RI検査

部門紹介~RI検査~

核医学検査とは

核医学検査は、放射性医薬品と呼ばれるお薬を患者さんの体内に微量に投与して検査を行います。放射性医薬品を患者さんの体内に投与することで目的とする臓器の機能、病気の有無や活動性を検査します。また、放射性医薬品は甲状腺の病気や癌の治療にも使用されます。目的とする臓器や病変に集まった放射性医薬品から出てくる放射線をガンマカメラと呼ばれる装置で収集して画像を作ります。


X線撮影検査やCT検査などは装置から放射線 (X線)が出て、それが患者さんの体内を通過することで画像を得ることができますが、核医学検査では患者さんの体内から飛んでくる放射線 (ガンマ線)を利用して画像を得ることができます。


放射性医薬品を投与する方法は静脈からの注射が多いですが、口から飲むお薬もあります。お薬を投与してから、実際に検査を開始するまでの時間は検査によって大きく異なります。直後であったり、30分後であったり、1週間後という検査もありますので、検査説明の際にご確認下さい。多くの検査の検査時間は30~60分ほどで、基本的にはベッド上で安静に横になって頂いているだけで終了しますので負担の少ない検査です。


注意点としては、正確な検査を行うために検査によっては放射性医薬品の集積に影響を与える可能性があるお薬や行為(食事、カフェイン含有飲料の摂取)を制限するなどの前処置が必要となる場合がありますので、ご協力のほど宜しくお願い致します。

核医学検査とは

⇒さらに詳しく『核医学検査の特徴は』  『核医学検査の方法は』

放射性医薬品の安全性と被ばくについて

放射性医薬品とは放射性同位元素 (Radioisotope: RI)と呼ばれる放射線 (ガンマ線)を出す物質と特定の臓器、組織や病変に集まるお薬をくっつけたお薬のことです。


検査で用いられる放射性医薬品は非常に少量なため、CT検査などで用いられている造影剤に比べて副作用が起きる頻度は少なく、10万人あたり0.9~2.3人程度です。


当院では、複数名の核医学専門医師と看護師1名が常駐し、緊急カートも備えられており、万が一重篤な症状が起きた場合にも対応することができるようにしています。


RIを使用するため、核医学の検査では被ばくを避けることはできませんが、検査に用いられる放射性医薬品の量は微量であるため、1回の核医学検査での被ばく線量はおよそ1~15 mSv程度です。これはエックス線撮影検査やCT検査などの他の放射線検査と同程度かそれ以下の量であり、1回の検査で放射線障害が起こることはありません。

妊娠中の核医学検査に関して

核医学検査は放射性医薬品を患者さんに投与しますので、患者さんが妊娠していれば胎児の被ばくが生じます。


放射線防護の観点から、放射線によって利益を受ける人以外の被ばくを避けるのが基本ですので、妊娠している可能性がある女性の核医学検査はできるだけ避けた方が良いとされています。従って、妊娠の可能性のある女性や妊娠中の女性は検査予約の際に必ず申し出てください。


ただし、気づかずに検査を受けてしまった場合も心配はありません。核医学の検査で胎児が受ける被ばく線量は最大で25mGyと報告されています。胎児に奇形や大脳の発達の遅れが生じるのは100mGy以上の線量を受けた場合です。また、100mGy以下の線量では発がんリスクの増加は実証されていません。


まとめると、核医学の検査によって胎児に放射線による影響が出る可能性は極めて低いということになります。

授乳中の核医学検査に関して

授乳中の患者さんは、原則として投与しないことが望ましいですが、診断上の有益性が被ばくによる不利益を上回ると判断される場合にのみ投与することとされています。従って、授乳中の女性は検査予約の際に必ず申し出てください。薬剤によって投与後一定期間授乳を中止して頂くことがあります。

検査開始までの流れ

核医学検査は原則「予約制」です。予約時間に合わせてご来院ください。

検査開始までの流れ

検査を受ける方へのお願い

検査を受ける方へのお願い

金属があると画像に影響を与えます。影響がある場合は検査前に身に着けている金属を外していただきます。


検査台の上ではしばらくの間体を動かさないようにお願いします。お子様などじっとしていられない患者さんの場合は、軽い睡眠薬や鎮静剤を使用する場合があります。


妊娠中の方もしくは可能性のある方、授乳中の方は検査前にお申し出ください。


検査室内ではスタッフの指示に従ってください。不用意に機器に触れたり、指示に従わない場合は思わぬ怪我をしたり、検査が不十分になってしまう場合があります。


一部の医療機器はアイソトープ検査によって誤作動を引き起こす恐れがあります。該当の機器を装着されている方は事前にお申し出ください。


該当機器:持続血糖測定装置、ペースメーカー、補聴器、神経刺激装置


心臓の検査を受けられる場合、カフェインを摂取すると薬剤による負荷がうまくかからなくなります。事前に案内があった場合は12時間以上カフェインを摂らないようお願いいたします。


その他検査でも食事など制限することがある場合は事前にスタッフから指示があります。指示がある場合はご協力のほどよろしくお願いいたします。

検査を受ける方へのお願い

核医学検査での放射線被ばくについて

核医学検査で使用される放射性医薬品の放射能は極微量で、半減期(放射線量が半分になる時間)も数時間から長いものでも8日です。


また投与後、主に尿や便から徐々に排泄され、その被ばく線量は1~10mSvくらいです。これは身体に影響が出ると言われている100mGyの1/10以下なので全く心配することはありません。


主要な検査の被ばく線量は以下の通りです。


被ばく線量(mSv)
骨シンチグラフィ 1.5
脳血流シンチグラフィ (123I-IMP) 3.8
腎レノグラム 0.5
ガリウムシンチ 6.4
負荷心筋血流シンチ (99mTc製剤) 10.7
心筋交感神経シンチ(123I-MIBG) 1.6
甲状腺摂取率 (123I) 0.6

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金沢大学附属病院 放射線部

〒920-8641 石川県金沢市宝町13-1

Tel:076-265-2000 内線2010

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